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4行まとめ

・3/4号排気筒の地上76m付近から重さ22kgの足場の鉄板が落下。

・落下地点より排気筒に近いところに作業員がいた。

・2011年以降、保守点検を行っておらず、溶接部分が劣化し、落下したものと東電はみている。

・落下した鉄板はそのままで回収しておらず、現在、半径33m付近を立ち入り禁止としている。

 

鉄板の落下の概要

2019年1月9日、午前11時45分頃、3/4号機排気筒の点検用の足場の鉄板が落下した。

 

落下した足場が元々あった場所は、高さ120mの排気筒の地上76m付近。

 

落下した鉄板は重量22kg(25cm×180cm、厚さ約6mm)。

 

鉄板の落下した地点は、排気筒の中心から約20mの付近。

排気筒の中心から排気筒の足までの半径は約18m。

鉄板の落下を受けて、半径33mが立ち入り禁止エリアとされている。

取材メモから、筆者のポンチ絵。

 

3/4号機排気筒の場所は、3号機、4号機のすぐ山側である。

 

1/2号排気筒、3/4号排気筒、タービン建屋集中排気筒とも、2011年の原発事故発災以降、昇塔での保守点検は行われていない。

地上から望遠で目視のみの点検である。

1/2号排気筒は、支柱に破断が2013年に複数確認され、2019年3月から上部のみ解体が始まる。(この経緯については改めてまとめる)

 

足場の鉄板の落下は、原発事故以降の劣化により、溶接部分が腐食したのではないか、と東京電力は見ている。

が、詳しい調査はまだなされていない。

なぜなら、落下した足場の回収がまだすんでいないからである。

落下から8日たった、17日現在も、まだ足場はこの状態のままであるという。

足場は、一つの排気筒に72枚ついている。

2011年以降、保守点検は行われていないため、落下した鉄板と同様に劣化している恐れがある。

そのため、保守点検を行っていない、1/2号排気筒、3/4号排気筒、タービン建屋集中排気筒の3つの排気筒と、加えて5/6号機排気筒の、計4つの排気筒の半径33mは立ち入り禁止とし、今後の対応を検討している最中である。

 

鉄板が落下したとき、近くに作業員が!

この足場の鉄板が落下した時刻が、なぜ「午前11時45分頃」と把握されているかというと。

それは足場が落下したとき、排気筒の中心から半径10mの付近で東京電力社員が作業をしていたからである。

あまりの轟音に驚くと、鉄板が落下していたという。

鉄板の落下地点より、排気筒に近いところで作業していたというのだ。

被害が無かったのは、本当に不幸中の幸いである。

ちなみにその作業とは、SFP冷却配管の水抜きで、排気筒に関してどの場所だったかは未確認とのこと。

 

足場の鉄板は、サブドレン45の付近の足場に落下したままで、サブドレンの上部を変形させたなどの影響があった。

 

まとめ

通常、排気筒は年に1回の頻度で保守点検を行う。

昇塔して、目視や打音検査などの非破壊検査を行ったり、サビ止めのシール塗装をする。

しかし、2011年以降、全く保守点検、シール塗装が行われていない状態で、海のそばで潮風にさらされている。

地上からの目視点検しか行っていない状態では、どの部分がどのように劣化しているのか把握は難しい。

 

破断が見つかっている1/2号排気筒の上部は解体計画が決まっているが、線量が高いため、遠隔操作での解体である。

解体での振動で、今回と同様、溶接部分が劣化している端材が落下するようなことはないのだろうか?

17日の会見で筆者が質問すると、東京電力の回答は

「振動はそこまで大きくないと考えているので、解析自体はしていない」とのことであった。

 

原子力規制庁は、12日に現地を巡視したという。

立ち入り禁止エリアの半径33mにどのような施設があるか、

部材の落下によるリスクはどの程度で、どのような対策をとれるか、

東京電力の報告を待つという。

 

排気筒に限らず、2011年の原発事故以降、様々な設備は劣化している。

新たな事故が発生しないよう、万全の対応を望む。

また、設備が劣化していて、新たな事故のリスクが高まっているにも関わらず、情報公開が後退している。(この件についても改めてまとめる)

原発事故への関心が低くなってきたことから、また事故前のような情報隠ぺいに戻ろうとしているように感じる。

これに対抗するには、多くの市民の監視が必要である。

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