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【汚染水かぶり事故】被曝した作業員の三次下請けの会社は作業班長が不在。多重下請けの問題。偽装請負の可能性。

Byoshidori-makoken

11月 5, 2023
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3行まとめ

・2023/10/25、4名が汚染水をかぶる身体汚染の事故があった。

・全身が10万cpmを超え、サーベイメーターが振り切れた作業員Aを含む2名は、福島県立医大付属病院に搬送された。(追記:2023/10/28に退院

・10/26の会見のあと、10/30の会見では、様々な情報が訂正され二転三転し、多くの疑問が残っている。
11/2の会見でも解決されていない。
(漏えい量100mL→数L、正確な量は評価中)
(1次請け5名の作業班→三次請け3社が混じっている)
(作業員Cがリーダー→Cは実際はリーダーではない)
(当日病欠した「F」さんがおり、AさんBさんの社の作業班長だった)
(病欠のF作業班長の代わりに二次請けの工事責任者が来たが、現場には入らなかった)

目次

・汚染水かぶり事故の現場

・かぶった汚染水~洗浄廃液とは

・情報が二転三転~ 一次請け→三次請け3社に訂正

・ もっとも被ばくしたAさんの会社の作業班長は当日、病欠(幻のFさん)

・ 一次請け:C班長 →三次請け3社:C班長D班長そしてF班長は病欠、
二次請け工事責任者は本当にいなかった?

・ 身体汚染による被ばく線量は評価中。α線への質問は未だ回答無し

余談:頼りない原子力規制庁

・まとめ

・最後に

汚染水かぶり事故の現場

クレジット:東京電力HD株式会社
撮影日:2023年10月25日

増設ALPSにて
緑色のタンクに入れる予定のオレンジ色のホースが外れ、作業員の方々が汚染水をかぶったとのこと。

炭酸塩スラリーを硝酸で溶解して配管を洗浄する作業。
(硝酸の洗浄液は原液10Lのろ過水40Lの5倍希釈)
炭酸塩と硝酸が反応して、炭酸ガスが発生。ホースがタンクからはずれ、
高濃度のミスト状の汚染水をかぶったとのこと。

「この作業でガスが発生することは分かっていたが、ホースが外れるほどガスが発生するとは思わなかった」
(10/26 東京電力会見での説明)

https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap_progress/pdf/2023/d231026_06-j.pdf
(TEPCO資料より)(赤線は筆者)

かぶった汚染水~洗浄廃液とは

ここで、どのような汚染水をかぶったのか、説明する。
この機会に、ALPSの構成を把握してほしい。

既設、増設、高性能ALPSとも、大きく分けて、「前処理設備」と「多核種除去装置(吸着塔)」の2設備から構成される。

https://www2.nra.go.jp/data/000384238.pdf

前処理設備は、後段の吸着塔で放射性物質を除去するの性能を向上させるための設備。
薬液注入し、スラリー(液体と固体の混合物)化できるイオンを沈殿させたりフィルターで濃縮させる。

ストロンチウム90が主成分の炭酸塩スラリーが、たびたび、ALPSで問題になってきた。
吸着塔を通り抜け、ALPS出口水まで混じってしまい、ストロンチウム90が除去できていない白濁したALPS「処理水」となったこともあった。

炭酸塩スラリー対策として、ALPS設備配管中の炭酸塩スラリーを各所で硝酸で溶解させる洗浄が行われる。
しかし、硝酸が炭酸塩スラリーを除去するためのCFF(クロスフローフィルタ)を劣化させてしまい、また炭酸塩スラリーが通過してしまったこともある。(2022/5)

このように、ALPS設備内部で炭酸塩スラリーを硝酸で溶解させる洗浄は、ALPSの運用に不可欠とともに、まだ手探りの状況である。

今回の汚染水かぶり事故は、前処理設備から吸着塔につながる配管内の洗浄を実施していたところ、
(下記の図の「ブースターポンプから吸着塔入口の配管洗浄を実施」の部分)
洗浄廃液を移送していた受け入れタンクから仮設ホースが外れ、
汚染水が飛散し、身体汚染となった事故である。

https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/601278.pdf

なぜ、最初にこのような詳細を説明したかというと、
どのような性質の汚染水をかぶったかどうかが重要だからである。

炭酸塩スラリーと硝酸が混合され、炭酸ガスが発生した、というだけでなく、
ALPS入口水より、はるかに高濃度の廃液なのだ。

汚染水がALPSを通過するときに除去された、放射性物質が凝縮された炭酸塩スラリーを含む洗浄廃液をかぶったのである。

会見で、この洗浄廃液は全βで43億7600万Bq/Lと説明があった。
硝酸との混合廃液なので、実際に作業員がかぶった汚染水の濃度は、ある程度は下がるだろう。

下記の資料を見てほしい。
ALPS入口水の全βの濃度は92万とか110万Bq/Lである。

つまり、ALPSで処理する前の汚染水の4000倍という高濃度の汚染水をかぶったのである。

https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/010_03_01.pdf

10/26、事故翌日の会見(撮影:おしどりケン)

情報が二転三転:一次請け→三次請け3社に訂正

当初、漏えいした汚染水は100mLとされていたが、数Lに訂正された。
また、一次請け5名とされていたが、三次請け三社5名(3名+1名+1名)に訂正された。

「一次請け5名」から「三次請け3社5名」の訂正は、非常に大問題で、
筆者は、偽装請負の可能性や、この多重下請け構造そのものが、事故の問題点と考える。

偽装請負とは、実際は、労働者派遣であるにも関わらず、請負契約のように偽装することである。
派遣契約と請負契約の違いは何か。
そして、それの何が問題なのか。

ポイントは「指揮系統」と、「労働安全・労働管理」である。

派遣契約の場合は、労働者は、派遣先の指揮命令、作業管理の下で作業を行う。
つまり、労働安全、労働管理などの責任の所在は派遣先にある。

しかし、請負契約の場合は、労働者の雇用主である請負先の指揮命令、作業管理の下で作業をおこなう。

労働安全、労働管理などの責任の所在は請負先にある。

事業の発注者からは、直接指示や指揮命令を受けない。
事業の発注内容は仕様書に明記されており、その業務を委託されていて、請負業者はそれを遂行する。

請負契約で、社をまたいでの指揮命令になると、労働安全、労務管理の責任が曖昧になる。
なので、請負先、雇用主の指揮命令しか、受けてはならないのだ。

福島第一のような、リスクの高い現場では特に重要である。
この場合は、事業発注元の東京電力、元請けの東芝エネルギーシステムズから二次請け、三次請けに事業が発注されている。

しかし、直接雇用されている会社以外の指示を、現場で受けてはならない。
放射線管理区域で行われる作業は、電離放射線障害防止規則によって労働安全が規制されているが
それは事業者から契約関係にある労働者を守るための法律であり、事業者に課せられている義務、規制なのだ。
三次請けの会社の作業員の放射線管理や労働管理をしているのは、当たり前だが三次請けの会社である。

実際は労働者派遣であるにもかかわらず、請負契約のように偽装することを偽装請負という。
請負契約では、作業発注元の指示は受けてはならない。
しかし、福島第一のような多重下請け構造ではこの基本原則が曖昧になってしまう。

契約関係のない、他社の指示で作業をしてしまい、そして事故につながった場合、誰がどう責任を取るのか。

これが、今回の汚染水かぶり事故である。

もっとも被ばくした作業員Aさんと、直前に指示をした作業員Cさんは、別会社、他社だったのだ。

作業員Cさんが、作業員Aさんと一時的に作業を交代し、その際に、Aさんにアノラック(防水カッパ)を着用させなかった。

そしてCさんと交代して、タンクのそばに行ったAさんは、
炭酸ガスでホースが暴れた際に、43億Bq/Lの洗浄廃液をかぶってしまった。

もっとも被ばくしたAさんの会社の作業班長は当日、病欠(幻のFさん)

三次請け3社の内訳は
Aさん、Bさん、Eさんが同会社、Cさん、Dさんがそれぞれ1社1名という班構成である。

このような数社が混合している作業現場の場合、他社の指揮を受けないように、
東京電力はそれぞれの社で作業班長を定めることとしている。

Cさん、Dさんは、それぞれ作業班長である。
福島第一での作業経験年数もそれぞれ13年、12年と長い。
(下記の表参照。緑字は筆者が東京電力に取材したもの)

(追加情報:「0年」のAさんEさんはそれぞれ、「4か月」とのこと)

Cさん、Dさんは一人参加で自身が作業班長、一人親方のような状態だろうか。

では、Aさん、Bさん、Eさんの社の作業班長は?

この問いを筆者が会見でおこなったとき、驚くべき回答が出てきた。

「当日、病欠で休んでいた」

ーー本来、もう一人作業員が参加するはずだったのか、
では、もっとも経験年数の浅い作業員たちの作業班長はいなかったのか?

「なので作業班長の代わりに2次請けの工事責任者が出ていた。」

三次請け3社の現場に、二次請けの工事責任者が作業班長として出る、これこそが偽装請負である。

ーー病欠の作業班長の代わりに出た二次請けの工事責任者は当日、どこにいたのか
事故の発災時はどこにいたのか

「事故のタイミングではいなかった。どういう動きだったか調査中」

このような重要な情報が、筆者の質疑で出てきた。
しかし東京電力は自ら説明すべきである。

このときの質疑の動画を共有する。
東京電力がどのように説明したか、なぜ自ら説明しないのか、実際に目にしてほしい。

一次請け:C班長 →三次請け3社:C班長D班長そしてF班長は病欠、
二次請け工事責任者は本当にいなかったのか?

10/26の会見では「一次請け5名」

10/30の会見では「三次請け3社5名、それに加えて6人目は病欠、作業班長として二次請けの工事責任者が出た。
二次請けの工事責任者の動きは調査中
」となる。

さて、11/2の会見で、筆者は再び驚くことになる。

「二次請けの工事責任者は、朝5時半のTBM-KY(ツールボックスミーティング、危険予知)には参加しましたが、
その後、現場には出ていません」

まぁそう答えるしかないし、現場には出られないだろう。
二次請けの責任者が、三次請け3社の作業現場に行き、うっかり指示でも出したら、その瞬間に偽装請負となる。

「病欠の三次請けの作業班長の代わりに、二次請けの工事責任者が現場に出た」
これを東京電力が会見で答えれば、偽装請負を東京電力が公式に認めることになるから、こう話すしかないだろう。

ーーでは、もっとも作業経験の浅い3名(Aさん4か月、Bさん4年、Eさん4か月)の会社は、
実質、作業班長無しで現場作業にあたっていたのか?

「そういうことになる」

果たしてそうだろうか。
二次請けの工事責任者は本当に現場にいなかったのか。
事故時にはいなかったとしても、どのタイミングで現場から離れたのか。

経験年数が最も長い他社のCさんが、実質の作業班長ではなかったのか。

実際、10/26の中長期ロードマップ会見では
東京電力廃炉推進カンパニーCDO小野明氏が、こう説明している。

「私が聞いてる範囲で言うと、A,B,C,D,Eと5人の作業員さん書いてますけど、
確かこのCさんていうのは、この中のグループのグループ長と言うんでしょうか?班長なんですよ。
当然この人は自分の手の内の作業員が、作業をやる時には色んな指示をしなければいけない。
そういう意味でその指示をし忘れているのか、なぜしなかったのか、調べますけど、
この指示ができていなかった事になります。

Cさんが作業班長、というのは「一次請け」のときの説明である。

4日後に「三次請け3社」という説明になり、「Cさんが作業班長」は撤回され、
そもそもの作業班長だった幻のFさんの存在が突然出てきて、しかし、Fさんは病欠、
二次請けの工事責任者がFさんの変わりに出るが、現場にはいなかった、という状況が現時点での情報である。

(また、二転三転するかもしれない!)

身体汚染による被ばく線量は評価中。α線への質問は未だ回答無し

管理区域からの退域基準4Bq/cm2より下げられなかったAさんBさんは、福島県立医大付属病院に搬送された。

Aさんは、事故直後のサーベイで「10万cpm超」とある。

表面汚染密度を測定する一般的なサーベイメーターの検出限界は10万cpmである。
測定器が振り切れたということか、と10/26の会見で問うと、そのとおり、と東京電力は回答した。

Aさんが最も汚染が高かった部分は下腹部であり、除染の際に、下腹部の毛も剃ったとのことであった。
β核種による汚染が主で、その当該部分の等価線量はまだ評価されていない。

ガラスバッジとリングバッジ・水晶体バッジも装着していたが、迅速解析に回されており、まだ解析値は出ていない。

ちなみに、対域基準4Bq/cm2というのは、β・γ核種に対してであり、
α核種は一段と厳しくなり、対域基準は0.4Bq/cm2となる。

α核種の測定はどのようにおこない、どのような測定値だったのか?

筆者は10/26の会見で質問したが、「α核種は存在しない」その回答のみだった。

そんなはずはない。

洗浄廃液には炭酸塩スラリーが含まれるとされ、
炭酸塩スラリーには、プルトニウムなどのα核種が含まれることはすでに分析されている。

β・γでどうしても4Bq/cm2を下回らなかった身体汚染が、α核種についてどうだったのか、
0.4Bq/cm2を下回っているか確認する測定は実施されたのか?

10/26の会見では「α核種は存在しないと聞いている。測定については確認する」だった。

10/30の会見では「顔面をα核種を測定すると、存在していなかった」という回答だった。
それは、内部被ばくに関する測定であり、そもそもβ・γ線も、顔面には付着しておらず、
内部被ばくはなかったという説明である。

内部被ばくに関する測定ではなく、質問しているのは表面汚染、
最も汚染されていた箇所がαの退域基準0.4Bq/cm2を下回ったかどうかの確認の測定である。
再び問うと「確認します」

11/2の会見では「顔面のα線の測定はおこなった。洗浄廃液にα核種が含まれているかの分析はこれからおこなう。
しかし、ALPS入口水にはα核種は存在していない」
と何度も繰り返したため、筆者は憤った。

なぜなら、東京電力自身が、ALPS入口水に全αが存在することを測定しているし、
また、洗浄廃液は、ALPS入口水の4000倍(全βの場合)の濃度になっているのだ。

両方とも、東京電力の過去の分析結果である。
なぜ、こんないい加減な説明「α核種は存在しない」「ALPS入口水に全αは無い」を繰り返すのか。

https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2021/01/3-1-3.pdf

筆者は、そのような東京電力の不誠実な回答に納得せず、
最も汚染が高かった場所が、全αの退域基準0.4Bq/cm2を下回ったかどうかの測定を実際にしたのか、
したとしたらどのような値だったのか回答してほしい、と重ねて質問している。

(しかし、汚染事故があったのは10/25である。なぜこんな基本的な情報が出てこないのか!)
(そして、記者が無知であれば、いい加減に丸め込む説明を繰り返す東京電力のなんと不誠実なことか!)

10/30の東電会見 会見者・高橋氏、司会・白石氏 (撮影:おしどりケン)

余談:頼りない原子力規制庁

11/1に原子力規制委員会が開催され、この汚染水かぶり事故も報告された。
報告するのは原子力規制庁、1F事故対処室であり、東京電力からの報告そのままを伝えただけである。

規制委員会の石渡委員が
「10万cpm超と書いてある、これ以上ということですよね。この測定器の限界値はどれくらいなんですか」
と問うた。

10/26の会見で、筆者が東京電力に質問し、「測定限界を超え、振り切れた」という回答をすでに得ている。

しかし、原子力規制庁の回答はこうだ。
「限界値についてはまだ確認は出来てございません。今後確認してまいりたいと思います。」

規制委員会の杉山委員は、作業員の経験や装備などの違いを問うた。
それらもすでに筆者は引き出していたが、原子力規制庁はまた「今後、確認していきたい」だ。

規制権限がある原子力規制庁が、東京電力の報告を受け取るだけ、鵜呑みにするだけで
筆者や委員がすぐに浮かぶ基本的な疑問、重要な質問に対する回答を持っていないのだ。

10/25の事故が発生してから、11/1の規制委員会まで1週間もあり、
10/26や10/30の東京電力会見で説明された(筆者が引き出した)東京電力の回答、情報すら規制庁は持っていない。
筆者が10/27のオンラインイベント(福島のNPOはっぴーあいらんどとの「県民健康調査検討委員会を検討する会」
で、パワポでまとめ、すでに説明していたことを、原子力規制庁は1週間たっても、把握していなかったのだ。

事故を起こした企業(東京電力)の自己申告を待つのみで、原子力規制ができると思っているのだろうか。
規制庁職員は、少なくとも、東京電力の記者会見はチェックしたほうがいいと思われる。

質問のため挙手する筆者(撮影:おしどりケン)

まとめ

退域基準まで除染できず、病院搬送という高濃度の身体汚染が発生したが、
その状況説明は二転三転しており、未だ詳細ははっきりしない。

被曝線量評価もまだ出ていない。
(β線による被ばくはAPDだけでは分からず、ガラスバッジの解析や、
汚染箇所の皮膚の等価線量の評価は、洗浄廃液の分析が待たれる)

この汚染水かぶり事故は、アノラックを装着していないという装備の不備や、
ホースの固縛位置の甘さなどが原因、と東京電力は説明するが
はたしてそれだけだろうか?

経験年数が4か月のAさんEさんの作業班長Fさんが当日病欠にも関わらず、
なぜ危険な作業が決行されたのか?
Fさんの代わりという「二次請けの工事責任者」というのはいったいどういうことなのか?


実は、筆者は、この汚染水かぶり事故は、報道される前、東京電力から公表される前から、現場の方による内部情報を得ていた。
「まだニュースになっていないけど、こんな酷い事故が起こった」という内容で、現場の混乱ぶりを聞いていた。

アノラックを着用せず、汚染水をかぶったAさんを救出しようとしたBさんらも汚染水の上を歩いてしまい、
汚染を靴につけたまま歩き回り、汚染範囲が拡大したとも聞いた。

通常、東京電力は漏えいした汚染水の量は「漏えい範囲×深さ」で概算を算出する。
しかし、何度質問しても、いつまでたっても「漏えい範囲」の回答がない。

それはやはり、救出に入った方が汚染水の上を歩き、汚染範囲が拡大したことにもよる、と11/2の会見で回答があった。

Aさん、Bさんらの作業班長は当日病欠で、代わりという「二次請け工事責任者」は現場にはいなかった。
(二次請け工事責任者が、三次請けの作業班長の代わりなど、偽装請負そのものなのだが!)

もし、作業班長Fさんが、当日、作業に加わっていたら、このような事故は起こっただろうか。
アノラックは着用していただろうか。

「Aさんを救出するために、汚染水の上を歩きまわり汚染範囲が拡大してしまった」という情報は
作業班長がいなかったAさんBさんEさんらの、事故時の混乱を想像させる。

筆者は、経験年数が4か月の方々の社の作業班長が当日、現場にいないにも関わらず、危険な作業を決行したことが最も大きな問題ではないかと考える。

中長期ロードマップ会見

最後に

類似の汚染水かぶり事故は2013/10にも発生している。
アノラック(防水カッパ)を装備しなかった1名の作業員の身体汚染がやはり最も酷く
数時間、除染を続けても、退域基準まで下がらなかったのだ。

汚染水によるβ線熱傷が疑われ、病院搬送されたのは、2011/3以来である。
そのときも、装備の不備があり、長靴が足りず、ゴムの短靴を履いていた作業員が最も被曝した。

その他、軽微な身体汚染の事故、装備の不備、作業計画の不備などは多々ある。

そのたびに、東京電力は同じような「反省」「対策」を繰り返す。

しかし、現在のように、記者による追及が甘く(事故後数年の会見参加の記者の追及はもっと厳しかった)
原子力規制庁の規制もゆるければ、もっともシワ寄せが来るのは、現場の作業員の方々だろう。

関心を持つことは「監視」につながる。
多くの目があれば、酷い状況でも緊張感が生まれ、改善につながる。

東京電力だけでなく、会見での記者の様子や、原子力規制庁の対応などへの「目」が増えることを願う。

福島第一への「目」が増えることは、現場の改善にもつながり、現場の作業員の方々が守られ、
そして引いては福島第一原発の改善にもつながり、私たち自身を守ることにもなる。

東京電力の会見なども、筆者はライブ中継しているので、ぜひチェックしてほしい。
https://twitcasting.tv/makomelo/show/

(引用する際は、リンク掲載をお願いします)
(引用リンクの無い、全文転載を禁じます)

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