第24回県民健康調査検討委員会の甲状腺検査に関する議論の重要な部分を書き起こした。
とりいそぎ公開する。文章中の(注)は、改めて別の記事で解説する。
3行まとめ
・清水修二委員:現在の評価は一巡目の検査まで。二巡目の検査の評価が出るまで、甲状腺検査縮小の議論はすべきでない。
・清水一雄委員:最初は放射線の影響は考えにくいという報告をしたが、今は懸念がある。放射線の影響も考慮しながら検証していくべき。
・成井香苗委員:甲状腺検査を継続し、原発事故の影響があったという結果が出ても、無かったという結果が出ても、どちらにせよはっきりさせるということが、子どもだちにとって良い結果につながる。
2016年9月14日 福島県「県民健康調査」検討委員会第24回
甲状腺検査、3巡目に関する議論、抜粋
清水修二 委員(国立大学法人福島大学 人文社会学群経済経営学類 特任教授)
福島大学の清水です。ちょっと論点が変わりますけども。
この委員会では、中間とりまとめで今回明らかになった子どもの甲状腺がんに関しては、被ばくの影響とは考えにくい、という風に評価をしたわけですが。
これはあくまでも一巡目の先行検査のデータに基づく評価でありまして、2巡目の本格検査の1回目ですね、それに関してはまだ何ら評価をしていないんですよ。
で、甲状腺検査評価部会の中間とりまとめを出しましたけれども。
まだ中間とりまとめであるということはですね、今後検査のデータを評価しなければならないという立場でいるわけでありまして、まだこの影響については検討中であるはずなんです。
それで、今の説明の後の方にですね参考資料として「甲状腺通信」というものがついておりまして。
で、2ページ目の「最近よくいただくご質問にお答えします」と言うページがありまして。
チェルノブイリのベラルーシでの甲状腺がんの年齢別の構成と福島でのデータが2つ並んでいるわけですけども、
チェルノブイリのほうのデータは87年から97年までの10年間のデータ。
しかし、福島の場合では2011年から2016年までですので、 5年間のデータなんですよね。
チェルノブイリの例でいいますと、4、5年から低年齢層の甲状腺がんが急増すると云う、そういうことが観察されておりますので、 実はこれからだと思うんです。
すでにまあ2巡目でですね、ある程度のものは見えてくるというふうに思うんですけれども、やはり10年経ったデータと5年しか経っていないデータをこのように並べるという事は私は妥当では無いという風に思います。
これから5年やって10年後にどうなっているのか。
ということで比較するのはいいと思いますけども、まだその点明らかになっていない時点でこの2つのグラフを対象させていってですね、ここに書いてあるように。
まぁ「判断できない」という言い方にはなっていますけれども、全体のニュアンスとしては「そんなに心配しなくていい」と言うですね書きっぷりになっているというのは些かフライングだと言う風に私は感じました。
みなさんいかがですか?
高村昇 委員 (国立大学法人長崎大学 原爆後障害医療研究所 国際保健医療福祉学研究分野 教授)
長崎大学の高村です。
あとから説明しようと思ってたんですけども、資料8(注1)で説明しようと思ったんですけども。
この件に関連した話ですので後で説明しますけども。
あの、こういう風に並べて確かに時期が違うというのはあるかもしれません。
その一方で、チェルノブイリで放射線被曝によって甲状腺がんが多発したというのは、科学的に認められている。
その際にはこのような年齢分布をとったのです。
ということも示する様な事は私はそれはそれで意味があると思います。
当然ながら今、清水修二委員が言われたように、時期が違うと、事故からの年月が違うというのは確かにそれは同じ年代では無いのは確かですけども、チェルノブイリによって放射線被曝の内部被曝によって甲状腺がんが増えた。
こういうような結果だったんだということを示す事は意味があると私は思っています。
清水一雄 委員 (学校法人日本医科大学 名誉教授、医療法人社団金地病院 名誉院長)
私も清水修二委員と同じ、賛成です。
あの5年以降に増えてます。
これはあの高村先生がランセット…に出したデータなんですけど。
非常にあの10年まで増えてます。
ですから今まだ5年半ですから、これからが1番の問題で。
後で話題になるかもしれませんけども検査を縮小するととかいう問題はこれから話し合うんですか?
いいですか?(今この話題を話してもいいですか?と云う意味)
これはもうこれからがしっかりとした検査を続けていかなくてはいけないと言う風に思います。
星北斗 座長( 一般社団法人 福島県医師会 副会長)
えー、他の皆さんにもご意見をお伺いしたいと思いますけどもいかがですか。
… 。
どなたかご発言ございますか?
… 。
あのー、今両清水委員からですねあの、 9 5年のものと10年以上の物を比べて誤解を与える印象があるという指摘でございます。
これはこの委員会としてどういう風に受け止めるかということですか、どなたかお二人で決めてもらっても困るんですけども、もしご意見があれば… 。
よろしいですか。稲葉委員どうぞ。
稲葉俊哉 委員 (国立大学法人広島大学 原爆放射線医科学研究所 教授)
なんかあの半ば強制的に回ってきたような気もしますけども。
基本的には高村先生のご意見の通りだろうと思います。
問題はこれが、一般県民を対象にしたパンフレットであるので、そういう方一般の方が読んだときに誤解を招くといいますか、ある一定の方向に物事も、物事というか誘導をかけていると言う風に考えるかどうかというところだろうと思いますが、非常に左側の文章も慎重に書かれていますので、普通はこれを読んでまぁそういう誘導であるというようなことにはならないのではないかと思うのですが、そこはあのいろんな方の多彩なご意見があるんだろうというふうに思います。
あともう一つは縮小と言う話が出て来たんですが。
ちょっとのそれはまだ、これから今日これから議論される。
で、縮小ではないという… 。
縮小と言う言葉が先行するのはそれこそ一瞬の誘導であろうと思いますので、そこはちょっとまだ議論になってない段階ではありますけれども、一言申し上げたいと思います。
以上です。
星 座長
よろしいですか?
このあと更に議論しますが、清水先生何かあればどうぞ。
清水修二 委員
とにかくこの委員会で、その部会(甲状腺検査評価部会)がありますので。
部会でこの2巡目の検査のデータの検討をするのが順序だというふうに思うんですよね。
今その縮小だなんだという議論をですね、それ抜きにやるのが妥当でないと、私は思います。
今回の資料の②-23の先ほど説明された資料を拝見しますと、3巡目の検査においては。
(3)の部分ですけどね、二次検査の対象になった人についても改めて二次検査を受けるかどうか希望の有無を確認するとなってますよね。(注2)
「1次検査の時に希望しますか?」ということを確認するのみならず、検査の段階でもまた念押しのような形でやるということですので、かなりインフォームド・コンセントという点を重視して了解を得ながらやっていくということになるかと思います。
一般論からして、患者の同意を得る、あるいは親の同意を得るのは正しいと思いますけれども、あらためてこのようなですね、措置を取るということに関して、社会的にはですね結果的にかなり検査の対象を絞ることになってしまうんじゃないか?という懸念があるんだという風に思うんです。
福島県立医大の先生方は色々良心的に一所懸命やってらっしゃるという風には思いますが、まあ文系の私の立場からしますとですね、やっぱり社会的な影響といいますか。
こういうふうにした場合に社会がそれをどう受け止めるか。
ということに対する配慮というのがもっとなければならないのではないか。という風に感じました。
星 座長
今そういう意見が出されました。
大津留先生そのどうですか、その二次検査の受診希望の有無が通常の保険診療の状況についての確認を行う行為について、どんな風に考えてこうされて、その結果どういう影響があったのかという事にもしコメントがあれば、お願いいたします。
大津留晶委員 (福島医科大学 教授)
二次検査のハガキでご連絡くださいというのは、これまで二次検査でですね、希望の場所とか時間とかおうかがいするというそういうやり方なんですけども、やはり連絡が来るまで2か月、 3ヶ月かかると言うことで。
すごうく心配されている方が多かったということ。
それから、すでに前回に判定だった人は病院に、保険診療にかかっていらっしゃるということで、非常にどうすればいいか迷われる方がたくさんいらっしゃった。
受診者の利便性とを不安に対応すると言うことでハガキで、これは単に二次検査を受ける希望だけではなくて、ご希望とかを書く欄もあるので、そういうことでハガキを送っているということです。
で、この二次検査を今かかっている病院で診てもらうか二次検査に来るかということに関して、二次検査の受診が下がるという事はちょっとデータは取ってませんけれどもないと思います。
星 座長
清水先生今のコメントに対していかがでしょうか?
清水修二 委員
私は希望の確認をしたからといって受診する人が急に減るとかですね、そういう事はそんなにはなかろうという風には思っているんです。
みんな心配ですから。
やっぱり受けたいと、受けなくて後で見つかったら取り返しがつかないとみんな思いますので、そんなに実質的にガタッと減るという事は無いと思いますけれども。
やはりこの調査の、やっぱり信頼性の問題だと思うんですよね。
どういうスタンスでやるか、本人の希望を確認するという場合に実際に患者と医師が対面になった時にどういうものの言い方をするか。
「受けた方が良いですよ」と云うニュアンスで話をする。
「リスクもあるんですよ」というところに重点を置いて話をするのとは大分違うんですよね。
その辺のデリケートな部分に現れるようなですね、調査する側の姿勢が今、問題にされているのではないかというふうに私は思います。
星 座長
この話はまたこの後の所で議論したいと思います。
というのは、今医大が実施をしているやり方に、
例えば同意の取り方なんかにも一部の変更があると。(注3)
例えばですね、今のところもそうだと思います。
「それが与える影響についてどうなんだ」、と言う議論はまさに
この「今後の甲状腺の検査をどう??(周知)していくのか」
という事と、同じという事では無いですが、関係がありますので。
縮小という話が出てましたけど別に縮小とかは言ってないですが、
そういうことに対する様々な意見もあるところではありますので、
この後の所で少し議論させていただきたいと思います。
甲状腺検査縮小に関する議論
星 座長
特段なければ次に参ります。
次といいますのは私からちょっと発言をさせていただきたいと思います。
1つはですね、中間取りまとめをわれわれは出させて頂きまして、それを県に提出したという形になっております。
この中には様々な見直し論議や、あるいは「こういう風に続けるべきだ」という事も含めて書かれております。
今、今日もご報告していただいたものは中間取りまとめが出される前に既に行われた調査のですね、結果等をお知らせしたということですけれども。
今後この中間取りまとめも踏まえてですね、検査のやり方その他、ってのはこれ県での取り扱いになるのですが、今後どんな風な、なんといいますか、順番といいますか時間的なあのあれとして、あのあの内容についてもちろんそのままどうこうと言うんじゃないのかもしれませんが。
県での検討状況をですね、中間取まとめに関してのどういう風に対応するかと言うことの検討の現時点でいいですけれども、何かあればまずお知らせいただきたいです。
小林弘幸 県民健康調査課 課長
中間とりまとめ、今年3月に公表させて頂きました。
中間とりまとめに付きましては、基本的に、先行検査のデータごとに評価したということになっております。
特に甲状腺がんに付きましては、その後本格検査も一巡目を終わりまして、ある程度データも揃ってきたということで、甲状腺検査についての評価をですね、この委員会で検討して頂きたいと。
でそれ以外についてもですね、その後も調査をしてますので、順次ですね評価をしていただきたいと思っております。
その評価の仕方については、何をするべきか。については検討委員会の中で検討していただきたいと思います。
ということでございます。
星 座長
あの、別に県を責めてるわけではございませんが、中間取りまとめをしてそれなりのそれなりの意見を出したわけですから、それに県がどういう風に対応するかというのも順次報告してほしいと言うことであります。
続きまして、時間もないのでアレですが。
ちょっと甲状腺検査のところに戻りまして。
先程もあの途中でいろいろありましたけれども、ご発言がありましたが。
いろんな団体からいろんな要望がございまして皆様方にも前に説明した通り回覧という形でお回ししてお読みいただいていると思います。
様々な意見いただいております。
私もいろんなインタビューを受けたりして、まぁいろいろお答えをしてまぁいろいろ誤解されて書かれたりするんですがまあそれはそれとして。
今後ですね、今清水修二先生の方からは、「本格検査・2巡目・ 3巡目の話をきちっと甲状腺の部会で評価してもらうというのは1つ必要なことだ」という事を言って頂きました。
それと同時にですね、小児科医会やその他のところからは、「それ以外の影響についても考慮されるべきだ」というような意見も出ております。
ここで今日議論をしてどうこうというのではなくてですね。
今後どういうスケジュール感といいますか、どういうその形で検討していくかは分かりませんが。
「縮小だ」と云う風にとらえられると私も非常に辛いということを言った上で。
この甲状腺検査非常に注目を浴びておりますし、中間取りまとめの時点では、当面続けるということになっておりましたが。
その後、そういう意見がたくさん出ていることもあって「やっぱりきちっと続けていくべきだ」ということも含めてですね、皆さんのご意見をひと辺りいただきたいなと思っています。
そういう意味では、先ほど両清水先生からご発言いただきましたけれども。
まず、一雄先生からお願いしてよろしいでしょうか。
清水一雄 委員
甲状腺がん家族の会の要望書を読ませていただきましたし。
その後小児科医会ですか? そちらのほうも全文読ませて頂きましたし新聞で読ませて頂きました。
やっぱりこの委員会は、福島県で被災した人たちの意見に寄り添った立場で、審議して結論に向かって意見を出すべきというか、話し合っていくべきだと思うんですね。
基本的にはですね。
そういう意味で言うとですね、 173人の方が、がの診断を受けてその中の150人ぐらいですかね70%ぐらいの方が手術を受けたんですね。
この方たちの、あるいはご家族の意見というのはは非常に大事だと思います。
で、ここをよく読んでこのことに沿った形で、対応をすべき。
まず最初にですね。
それから派生して「じゃあ何が必要か」「何が必要でないか」ということを断すればいいと思うんです。
で、先ほどもうちょっと高村先生の方から説明がありました様に。5年以降にチェルノブイリでは増えてます。
で、チェルノブイリと福島の事故の比較ってなかなか難かしい問題があるので、
今ここで福島で行われている検査というのは本当に、大袈裟ではなく。
医学史上類を見ない大きな対象に対しての検査だと思いますね。
低線量被ばくでこれだけの人の検査をするということが。
ですから、ここから出る結果というのが今までの結果と比較すべきではなくて。
初めて得られた結果だ、という風に素直に判断してですね。
確かに多くなってますよね。
これもやっぱり「放射線の影響とは考えにくい」と
最初は私は甲状腺検査評価部会の部会長もやってたんで。
その時には「考えにくい」と言う報告をしましたけど。
今はやっぱりもうちょっと、もう少し、頭の中には「放射線の影響ではないかな?」
というような懸念といいますか、それを考慮に入れながら今後いろんな検証を進めていくべきだというふうに思います。
ですので、今後少なくとも10年は縮小は無し、最低でも9年以上はやる、ここまで。
縮小と云うのはつまり、必要な事はやる、必要でない事は外す。
それはしっかりと検討しあってですね。しっかりと進めていくべきだと思います、以上です。
星 座長
清水修二先生いかがでしょう。
清水修二 委員
この委員会の目的は何なのか。という議論を前にした時に、「県民の健康を守るのが目的である」というのと「被曝の影響を確認すること」も重要な目的である。
ということで、 2つの目的があるという風に思っております。
どちらにウエイトを置くかと言う点で、委員の間で少しニュアンスの差があったかな?というふうに思います。
で、実際に患者さんを見ている医師の立場からすれば、要するに被ばくの影響も確認することよりもですね、目の前の患者さんの健康の方が大事だと言う風に感じると思うし、被ばくの影響を確認するということを追求するあまりに、逆に県民の健康にダメージを与えるような、そういう結果になってしまったら本末転倒であると言うのも、もっともであるわけです。
ただ今、清水一雄先生がおっしゃったように。
この検査と言うのは非常に特殊な事態の中で、非常に歴史的な意味がある調査になっているわけでありましてですね、中途半端に結局どっちつかずだと、データが少ない・信用できないと言うことになってしまったら。
これは県民にとって大変不幸なことに思いますし。
この委員会、あるいはこの調査の信用と言うものをですねやはり、落としてはならないというふうに思いますから、できる限りにおいて正確なデータ、周到なデータを取る努力。
その方向で取り組むべきだと思います。
ただ、実際にやらなくてもいい手術をやっているのではないか?結果的にですよ。
実際に必要かどうかというのは、私はわからないという風に思いますので、やむを得ないと思うのだけれども、もしかしたらそういうことになってるんじゃないか?というそう言う面がありますので、実際に治療する段階で、「経過観察でいいんじゃないか」とか。
子どもの甲状腺がんについては今までガイドラインがなかったということですので、その段階での対応を少し考えると言う方法をもあるのではないかと思います。
以上です。
星 座長
他の委員の方などどうですか?
全員に聞いてもいいんですけど。
やはり自発的にご意見をいただきたい。
… 。
清水一雄 委員
その言い忘れた事は治療のことです。
清水修二先生がおっしゃったように治療のことに関しては、やはり専門家の判断として、手術が適用かどうか、経過を見ていいかどうか。
そこはやっぱり甲状腺をやってきた専門家にゆだねるほかはないと思うんです。
そこだけは申しあげておきたいと思います。
星 座長
他いかがですか?
… 。
あの、黙っちゃって困っちゃいますけどね。
はい堀川委員どうぞ。
堀川章仁 委員 (双葉郡医師会 会長)
放射線の被曝に関しては、要するにチェルノブイリと比較するのは非常に大事なことだと思うのですけれども。
いろんな(??)的な差があったりとかですね、後は被ばく量とか。
そういう部分で大分違うものがあるのではないかということも考えられます。
ただ、それを踏まえてですね5年後の甲状腺の癌の発生率が、チェルノブイリの場合増えてきているというので。
そのこと踏まえてですね、それはその通りになるかどうかは分かりませんが。
今後とも見落としてはいけないものなので。
継続した調査を必要とする。
ということとに、それは甲状腺についてなんですけども。
精神的な面もですね、5年経って6年目に入ってというような状況でかなり変わってきてます。
で、生活状況も変わってまして糖尿病になったり、廃用性症候群になったりとか非常に多いものですから。
やはり、こですにこで目を離すべきではないと思います。
星 座長
他にどうでしょう。
高村委員どうぞ。
高村 委員
清水修二先生の方から県民健康調査の目的という話がありますけれども。
1つ、これは私個人の考えかもしれませんけども。
いちばん大事な事は、やはり県民の方の健康を守る。
そして、このアンケート調査でもあったように。
多くの方が不安に思ってらっしゃると言うことであれば、やはり県民の不安を解消する。
つまり、県民の方が検査を受けたいと、そういうお気持ちに対してどういう風に寄り添うかということが非常に重要では無いかと思うのです。
ですから、検査を受けたい方が、きちんとアクセス出来る検査機関。
これ甲状腺に限らずだと思うんですけれども。
それの体制をきちんと作ることがとても大事なことだと思いますし、その点で言うと少し気になったのが、どうしても今から年代がシフトしてきますから、18歳以上の人が増えていく。
県外に出て行く人が多くなっていく。
ここの検診率がガタっと下がっている現状があります。
これおそらくこの人口がどんどんどんどん増えていくわけですから。
今後じゃあどういう風に、ここで受けたい人をきちんと受けられる体制はどうするのか、
将来的な今後数年の話はしなければいけないのではないかと思います。
星 座長
ほかいかがでしょう。
春日委員どうぞ。
春日文子 委員(国立研究開発法人国立環境研究所 特任フェロー (前国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長))
私も今までの先生方のご意見とほとんど変わることではないんですけれども。
なんといってもいちばんの目的は、県民の気持ちと身体によりそう。
そして長時間見守る、そしてより一層健康的な生活を支援する。ということだと思います。
そのためには、このチェルノブイリの高村先生の論文を拝見しても、これからその影響をしっかりと見ていかないと最終的な判断ができない。
という事は明らかだと思いますので、少なくともこれから5年10年の検査は必要だと思います。
ただ、今日の新聞にも記されてますように。
またこれまでの委員会でも十分な指摘がありましたように。
甲状腺がん、特に子どもの甲状腺がんについては、臨床的な対応が必要では無い癌も割合としては多くあると言う事は私たちも学んできました。
そのこともしっかりと説明する必要はあると思います。
ですので、これまで以上に検査と治療の長所と短所。
それをできるだけ解りやすく丁寧に説明を加えていくことが必要だと思います。
その上で、お一人お一人に判断していただけるその体制を作ることも重要だと思います。
結果的に、そうすると受診率が下がってくるという事を懸念することは確かに懸念ですが、その点は福島県の特殊な事情。
事故の後という事情を充分にふまえた上で、県民の方自らが、最終的に被ばくの影響を判断するためには検査によるダメージを許容していただいてでも、検査を続けることがどうしても必要なんです。
と言う事をこの検討委員会としては痛みを伴いながらもはっきりとお願いすべきではないかと思うわけです。
そこは検討委員会の責任として、検査を続けるのであればはっきりと伝える責任があると思います。
星 座長
はい他いかがですか。
あ、成井委員お願いします。
成井香苗 委員(福島県臨床心理士会 会員 (前東日本大震災対策プロジェクト代表)
私は心理的に今の事を考えてみました。
そして、小児甲状腺癌がもし10年・15年後の規模で調査していった結果。
「原発事故の影響があった」という結果が出た。
あるいは「なかった」という結果が出ますよね。
どちらかの結果が。
そうした時に私はどちらの結果になっても、県民にとって被ばくした子どもたちにとって良い結果だと思います。
どういうことかといいますと。
「被ばくの影響なかったんだ」、と言う結果が出れば。日本人はこういうことだったんだ。
じゃあ他の人たちの風評被害、この子たちが大人になって結婚するときに大体甲状腺がんを患った子は悩みます。
結婚していいのか、子供を産んでいいのか。
と悩みますので、そうしたときに胸を張って結婚できますし。
自分は大丈夫といえます。
じゃ、あったんだ。
という結果が出たとき、あったならこのチェルノブイリの事故のようにきちんとそれを認めてもらって、それなりの対応をちゃんとしてもらう。
国の政策によってきちんと保証される。
そういったことが正々堂々と受けられる。
そういう点でも私はいいと思います。
だから、どちらにしろはっきりさせてあげることが、子どもの心のケアとしても大事ではないかとそういう風に今思いました。
星 座長
はい、ありがとうございます
時間になってしまって大変申し上げないんですが、中途ハンパになった感じ。ますが。
あの… 。
成井 委員
あの、もう1つだけ言わしてください。ごめんねいつも。
嫌な顔されるとすいませんと思うのですが。
私その心理的な影響で言うと前から私が申し上げているように。
甲状腺癌という風に判定された場合の対応に心理的なケアを絶対に入れてください。
それが絶対大事です。せっかく結果が出るのだから、どっちにしろ。
それを有効に活用するためにも心理的ケアを受けられる状況にずっと常にあるということが前提だと思います。
星 座長
この件は、充分かどうかは別としてそういう対応が行われているという風に私は認識しております。
成井 委員
もっとという事です!
星 座長
もっとという意味ですよね。あの、それならわかります。
この議論はですね、別に今日ここで結論をえるつもりはありませんし。
皆さんのご意見を伺うということで伺わしていただきました。
座長としては、甲状腺の2巡目・3巡目の結果についての評価というのはまぁどっちにしてもしなくていけないので。
それについてはきちんとお願いをしようと思いますが。
今後の議論は「やめる」とか「やめない」とかということだけじゃなくて。
今やっていることの意味を確認すること。
そして皆さんに理解してもらうためにも、こういう議論を避けずにちゃんとしていきたい。
言うことで、ここの委員会で皆さんの理解を得た上で話を進めていきたい。
と言う風なそういう意味での私の発言という風に受け止めて頂きまして、今後議論を進めてまいりたいと思います。
ということで他に委員のみなさんから発言があればお伺い出しますが、なければこれで私の座長の役は終わりにしたいと思います。
よろしくおねがいします。
二巡目の甲状腺検査評価部会は開催されるのか?(筆者の質疑)
筆者
今日も議論に上がっていたのですが。
結局、2巡目の評価ということで、甲状腺検査評価部会というのは、再開されるのでしょうか?
去年(2015年)の3月にいったん中間取りまとめが出て、(部会の)第6回があってから。
1年半経ちましたが、 同じメンバーで再開されるのでしょうか?
再開されるとしたら日程はいつなのか?
部会長として清水一雄先生の意見はどうなのか?
男女比とか前回(一巡目検査)A1・A2から2巡目で(甲状腺がんが)出てきているとか。
(部会の取りまとめが出てから)この1年半、検討委員会で、甲状腺の問題、様々な疑問は上がっていますが。
ずっと同じ議論のまま何も進んでいない、という状況ですので。
結局、2巡目の甲状腺検査評価部会というのは開かれるとしたらいつ頃ですか?
そしてそれは誰が決定しますか?
あと数字の確認なんですが。
基本調査の回答の中で、簡易版の方が多いと。
100件程度増えたが簡易版の方が多いと県立医大の先生が説明されてましたが。
前回と比較しますと、詳細版が58件、簡易版が46件ということで。
詳細版の方が数字としては大きいと思うのですが。
すいませんよろしくお願いします。
星 座長
2つ目の話はあとで確認をしていただきますが。
1個目の話はですね、要は、本格検査のきちっと結果が出て。
その結果をもとに議論してもらおうということで、部会の開催をお願いすると。
決めるとすれば私がお願いすることになると思います。
時期については、今日の議論も踏まえて県とも相談した上で決めさせていただきたいと思います。
それでは、今の簡易版・詳細版の話。
石川徹夫 福島医科大学 教授
数字の件大変失礼し致しました。
前回の資料を手元に持っていなかったものですから。
まあ、100件増えた、と言う事は記憶しておりましたけれども。
簡易版・詳細版それぞれの数字を手元に持っていなかったもので。
申し訳ございませんでした。
筆者
清水先生、部会長としてのご意見を伺えれば。
清水一雄 委員
私、部会長(甲状腺検査評価部会)をやっておりましたので。
部会長としての私個人の意見を述べさせていただきますけれども。
中間取りまとめを最終的に報告したのは少し前ですよね。
そのときにはそれを親委員会に、この委員会に申し上げて。
それが甲状腺の検査に関する中間取りまとめの最終案になったと思います。
それ以降開かれていないわけですけども。
一つは、まだ開く時期ではないのかな、ということもあるかもしれません。
私は個人的には、私は座長をやっておりますけども座長というのは、その意見をとりまとめて、いろんな意見が出ます。
それを取りまとめてですね、それを報告する。という立場なんですけども、
私は私なりの意見があって、それはなかなか座長だと言えない。ということがありますし、あとメンバーですね。
偏っているものですから。というのは、私は臨床科で外科で甲状腺を専門にやっていると。私だけなんです。
そうすると、座長として外科医としての意見が述べられないということもあって。(注4)
実は「座長を辞退したい」ということを星先生に申しあげてます。
それから後、その判断を仰いでいる所であります。
筆者
2巡目の結果が出てから星座長の権限で甲状腺検査評価部会を開く、という事ですね?
先ほどのご回答、コメントというのは。
星 座長
先ほど清水一雄委員からお話しがありました。
どういう、、今のメンバーでいいのか、どうかと云うのをですね考えなければいけない。
という事でありますので、即座に今の現行メンバーによる会を。
ある、時期を決めて開くという事よりも、その検討体制そのものを考えなければいけないと思ってますんで。
そういう、事をした上で当然結果が追加的に出た物について評価してもらうのは当然だと思います。
権限と云いますか、私が部会の設置をお願いしてますので部会の開催を、私ども委員会の方から、私が、、、。
私が個人で判断する訳じゃないです。
我々のこの検討委員会の中でこれをお願いします。
と云う形で部会長にお願いするという事になっております。
筆者
二巡目に関する甲状腺検査評価部会は、スケジュール的にはまだだ、という事ですね。
星 座長
まだです、はい。
ぶら下がり取材も含め、(注)に関する解説の記事など、また後日掲載する。