また、年が明けました。
連続する時間のはずなのに、いつもと同じ月替わりのはずなのに、
12月31日から1月1日というのは、なぜこんなに引き締まるのでしょうか。
いや、引き締まる、というより、物悲しい。
私は最近、年末年始はいつも何かしら沈みます。
いつの間にか、コロナ禍が続いて3年目に突入しました。
2020、2021、とコロナ禍だったので、コロナ禍のお正月、2回目です。
マスクに慣れ過ぎて、たまに深夜のお散歩でマスク無しで歩くと、背徳的な気分になります!
マスクに黒マジックで、「赤木ファイルの説明責任をはたせ!」とかメッセージを書くと、
シンナー臭いので、前日に書いて臭いを抜いておく、とかマスク使いにこなれつつ、
いろいろもの思いに耽る3年目に突入です。
コロナ禍3年目、原発事故継続12年目に突入です。
今回の年末年始は、東京に引っ越してきて初めて! ちょっとだけ!(1日だけ!) 大掃除をしようと試みました。
そしてすぐくじけました。資料が多すぎる!
2011年1月に引っ越してきて、3月に東日本大震災、
そして原発事故の取材を始めたおしどりはほとんど家にいることがなく、
コロナ禍になっても、原発事故の取材+コロナ禍の取材で
あれ?家にいる時間は増えたはずなのに、なんか寝る時間短くなってない?みたいな感じでした。
昨日の大晦日に初めて、たくさんの資料の山を整理していってみると、
うん、まぁ一日とかじゃ到底むり! すぐくじけました。
下記のこんな資料とか(2011年3月の福島第一原発の放水口南側100mの海水の核種分析のデータとか!)
箱をあけては、あぁ、こんな資料持ってたな、捨てられん…と、そっと閉め、の繰り返しでした。
そう、私は情報公開と共有が重要! それが民主主義の礎!
自分で調べて、考えて、議論して、声をあげること、その元となるのが情報、
情報が共有されれば、ちょっとは世の中がマシになるはず! と思ってきました。
けど、コロナ禍のいろんな場面で思い知らされたのですが
情報だけではないんですよね。
「考え方」そういうものも大切なのでした。
「自分で調べて考える」ということは、
自分好みの情報を探して、自分の好みの意見を言ってる肩書のある人を探して、それを「鵜呑み」にすることではありません。
(私もそうならないように、いつも気をつけています!)
「自分が理解できること」と「自分は理解できないけど、肩書のある人が言ってる自分好みのこと」は別です。
(「自分が理解できること」を区別するためには、いろんな角度からの考え方、意見をあえて調べて、
それに対する自分の意見を構築していく作業などは効果的です)
(その際に「自分はわかんないけど、あの人はこう言ってる、ここにこう書いてる」的なことになっちゃうと「鵜呑み」というわけ)
めんどくさいんだけどさ!
全ての事柄を「調べて考える」ことは物理的に無理なんだけど、
他の大部分のことは、誰かのまとめを「信じる」しかないんだけど
でも、ひとつでも徹底的に調べたら、裏の取り方がわかってきて、
その誰かのまとめが信頼できるものかどうか、検討がついてくるのです。
ひとつを徹底的に調べる人、監視する人が増えたら、もうちょい世の中は変わると思います!
(徹底的に調べるのは難しそうだけど、徹底的に監視するのはできるぜ!という方!
何かを徹底的に「観察し続ける」こと自体が、調べることです!
よかったら、おしどりの取材を観察し続けてください!
原発事故の話はめっちゃくちゃマニアックだけれど!!!!)
昨年、熊本県水俣市の相思社を取材してから、いろんな場面でいろんな言葉を思い出します。
「水俣市の水俣病は、水俣市だけでは解決しなかった。
新潟水俣病の方々が、水俣市にきて、『私たちは曖昧な解決をしない、もう一度闘おう』と呼び掛けたことから
訴訟が始まった。
水俣病が水俣市だけだったら、こんなに大きな問題になってないと思う」
私はこの言葉は本当に衝撃を受けました。
「ネコ実験室」の細川一医師を訪ねていったのも、情報を開示させたのも、新潟水俣病の方々なのです。
水俣市の方々は、最初に立ち上がらなかったわけではありません。
新潟水俣病の前にも、必死で抗議し、闘いました。
でも、だまされ、和解させられてしまった。諦めさせられてしまった。
そして、新潟で、また同じ問題が起こってしまった。
新潟水俣病の方々の「私たちは曖昧な解決をしない」
この言葉に熊本県水俣市の方々は傷ついたそうです。
「自分たちが曖昧な解決をしたから、新潟水俣病がおこった」
この取材をしていたとき、私は震えました。
福島第一原発の事故では足りない?
もう一度、どこかで原発事故が起こらなければ、世の中は変わらないの?
そんなの酷すぎる。もう、これで十分に酷い。
原発事故の取材を始めてから、私は自分のもの知らずを痛感し、いろんな公害も勉強しはじめました。
そうしたら、日本にはたくさん公害、薬害、いろんな問題があるんです。
「公害被害者総行動」の取材をするたび、こんなに日本には公害があって、今もずっと訴訟が続いているのか…と思い知らされます。
水俣の相思社でその話になったときこう言われました。
「日本にはいっぱい公害あるでしょう? 水俣病が一番酷い公害だと思います?
水俣病は、大声をあげて命がけで闘う人が多かっただけ。
だから大きな問題になった。
それも、さっき言ったとおり、新潟水俣病が起きてからの話ですけどね。」
声をあげる、それはやっぱり社会を変えることなのです。
そして、「死に物狂い」
くっそ、まだ足らないんだな!!!
前述の「公害被害者総行動」には、原発事故の集団訴訟も参加しています。
原発事故って公害なの? と思う方もおられるでしょう! 公害ですよ!
そして、被害者側が公害として行動をとりだす前に、
国側は迅速に、公害とみなして対応してきているのですよ!
詳細は下記の記事を御覧ください!
「水俣病のノウハウ」で福島県民健康調査に入ってきた環境省
環境省環境保健部長が「水俣病などの公害のノウハウを生かして」と、
原発事故後の福島県民の健康調査の委員になっているのです。2012年から。
原発事故の訴訟でいうと、加害者(被告)が、被害者(原告)の健康調査をしているのです。
まぁ、「水俣病などの公害のノウハウを生かして」いるわけですよね!
調べれば調べるほど、太刀打ちできるのか!! と思うことがいっぱいです。
どれだけ、ここに酷いことがあるよ!と調べて見つけても、
それはどこにも届いていないかも、と感じることも増えました。
けど、私は調べ続けるし、諦めないし、もっと死に物狂いでいくよ。今、決めた。
機嫌よく、死に物狂いになるのは、私の得意とするところでした。
そして、こんなおしどりを、今でも支えてくださる皆さん、本当に感謝しています。
その支えは、本当に私の勇気となっています。
(ちゃんといつもお礼をお伝えできてなくてごめんなさい。
けれど、本当に、まだまだ頑張れるなぁ!という力の源になっています。)
おしどりは原発事故のことを主に徹底的に取材していますが、
ウィシュマさんの問題も、赤木俊夫さんの問題も、いろいろな問題も
悔しいし、腹が立つし、全然納得いかないので、大声をあげていきます。
新年になると、なんで物悲しいのか、今、気付きました。
様々な問題が、解決されないまま、また一年経過するのか、ということが辛いから。
原発事故が継続したまま、新しい年を迎えるのは、
また、1年過去のことにされてしまった、と感じてしまうから。
まぁ私もまだまだロマンティックだのう!
一昨年の誓いを読み直しました。
今年の目標は
http://oshidori-makoken.com/?p=4993
「ドアマット」です
踏まれても平気☆
あなたの靴をきれいにしますよ!
2020年フロントページ