3行まとめ
・2号機大物搬入口上部汚染に関する原子力規制庁との面談資料が公開された。
(通常の公開ペースよりとても早い!)
・K排水路から告示濃度限度を超えた汚染水が直接海に放出されていた件で、
「排水される海域」としてモニタリングしていたのは「T-2-1」の地点であった!!
・この地点は、放水口から1.3km離れており、これを「敷地からの汚染は無い」と判断地点として使用する場合は
常に港湾からの距離を示してほしい、と2013年前から筆者は要望していた。
港湾外へ流出した汚染水の排水海域の測定点は離れすぎ
K排水路から汚染水が直接港湾外に流出し続けていた問題で、
排水される海域としてモニタリングされていたのは「T-2-1」の地点であった。
実は、この「T-2-1」地点は、港湾のすぐそばではなく、1.3km離れた地点なのである。
港湾の北側の地点は、放水口から30m離れたところだが、
港湾の南側の地点は、放水口から1.3kmつまり1300m離れているのである。
これは、当初、T-2地点、という放水口から330mのところで測定していたのだが、
測定に困難なポイントになったため、T-2-1という1.3km離れた地点を測定ポイントとした、と過去に説明があった。
しかし、1.3kmも離れると、汚染水の流出に関するモニタリングポイントとして、かなりの希釈を考慮しなければいけない。
なので、1.3km離れている、ということをきちんと明記するべきだ、と筆者は以前から要望してきた。
しかし、その記載はなく、下記のような資料が常に配られている。(赤字は筆者)
漁連資料にも遠くの地点を港湾近くのように表記
T-2とT-2-1については @tsokdba 氏の記事も参照されたい。
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-724.html
下記は2013年にこの地点について、東京電力に要望したときのツィートである。
南放水口も確認しました、H4エリアの漏洩が発覚して、再びT-2(南330m)で測定し始めたと。HPに掲載されているデータの測定点はT-2-1で、南に1.3kmの注釈は省略した、とのこと!それは酷い、注釈は省略しないで、と要望しました @tsokdba
— おしどり♀マコリーヌ (@makomelo) August 26, 2013
@jaikoman 氏の東電書き起こしには、漁連への説明資料の中に、海水の測定地点を誤っていたものを指摘したときの模様がある。
http://genpatsu-watch.blogspot.jp/2013/09/2013961730.html
ーー東電HPに公開された相双漁協の説明資料について。
南放水口付近の位置のが南300m付近として地図にプロットされているにも関わらず、漁協へのデータには南1.3km付近の値が常に乗っている。
東電今泉:まだ答える準備が出来ていない。ん?あ、今なんか差し込みがきた。確認したそうだ。おしどりさんの指摘の通り、記載箇所に誤りがあったようだ。
誤解を招かないように、この辺は正しく記載をしていこうと思っている。
ーーこれは漁協の方に説明する海の測定値のデータとして大変重要な物だと思うが。遠い地点のデータを出していたにも関わらず、近い位置として提出していたという事で、
一旦説明会をされていた漁協の方々にまた、説明会を開いたり資料を配ったりするのか?
東電今泉:まだまだこれから漁協には説明する機会があると思っているので、そういった所できちんと話しをしていかないといけないと思う。
ーーここの部分が間違っていたという資料を改めて送り直すという事か?
東電今泉:具体的にどういう訂正をするという事が、今の時点で私は言えないが、そういった所については、私どもとして対応していきたいと思う。
「T-2-1」は離れているため、希釈され、汚染度が下がる。
その汚染度が下がった測定値を、港湾近くの「T-2」の地点として、漁連への資料にしていたのである。
「福島第一原発近くの海水の測定点」として「T-2-1」の地点が使われるが、
その際、1.3km離れていることを記載せずに用いられることが多い。
漁連への資料には、記載せず、ではなく誤記していた。
今回の、港湾外へ告示濃度を超えた汚染水を排水していた件でも、「有意な濃度上昇は認められない」と判断する海域としては、
1.3km離れている「T-2-1」の地点では遠すぎるのではないだろうか。
少なくとも、測定点は、排水口から1.3km離れているという記載をするべきではないだろうか。