12月26日と28日に、「週刊文春の広河隆一氏に係る記事に関して」という文章を出しました。
この件についての現在の状況をご報告をいたします。
当初、私は、過去の編集部員を含む社員、広河事務所のスタッフ、ボランティアの方々で協力していただける方々から、可能な限り聞きとり調査を行い、なぜこのような問題がDAYS JAPANで発生したか、広河個人の問題として片付けることなく、できるだけ調査・検証をすべきだ、それをDAYS JAPAN最終号で掲載すべきだと主張しておりました。
文春報道後にDAYS JAPANの代理人となった馬奈木厳太郎弁護士は、私がDAYS JAPANにご紹介しました。報道前に広河氏やDAYS JAPAN役員と面識が無く、DAYS JAPANで記事を書いたことも無く利害関係が無いこと、MeToo問題の被害者側での代理人として取り組んでおられたこと、原発事故による被害についても被害者側の代理人として関わられていることなどから、会社に厳しくともDAYS JAPANの理念に忠実であろうとする方だと考えておりました。
そして、DAYS JAPANのジョー横溝編集長も、私や馬奈木厳太郎弁護士と同じ考えで、最終号で厳しい調査報告を出すべきだ、と主張しておられました。この時点では、DAYS JAPAN役員もそうした考えに賛成し、12月26日付や12月31日付の声明として、DAYS JAPANの考えを公表しました。
しかし、12月末から1月にかけて、夜通し何度も行われたミーティングで決まった内容を、翌日には一部の会社役員の判断だけで覆そうとする、ということも続いておりました。そのたびに、馬奈木厳太郎弁護士やジョー横溝編集等らが抗議し、ミーティングで決まった内容に結論を戻すということが繰り返されておりました。
そして、会社の運営側との議論も続けながら、最終号に間に合わせるために、1月初めから馬奈木弁護士らが過去の編集部の方やボランティアスタッフの方への聞き取りを始め、同時に現役の編集部員の方たちとの協議も始めていました。
結果を申し上げます。
1月13日に、馬奈木厳太郎弁護士が、DAYS JAPANから解任されたと馬奈木氏から連絡がきました。
驚いて編集部に伺うと、理由は「もっと会社に寄り添う弁護士に変える、と会社が判断したようだ」とのことでした。
(同日に、沖縄・球美の里の理事会にて、おしどりマコ・ケンの理事も辞任してほしい旨の示唆があったため、辞任しました)
馬奈木厳太郎弁護士の解任を受けて、調査・検証は止まってしまいました。ジョー横溝編集長は、会社側に2つ要求(役員への聞き取り内容を誌面で発表すること、最終号の発行時期を一カ月繰り下げること)を出し、それを了承してもらえなければ辞任する、という交渉をし、その結果、要求が受け入れてもらえなかったため、1月末に辞任されました。
残っている編集部員の方は2月末に退職されると伺いました。
ただ、連載を続けているだけのおしどりには、最終号の計画に口をはさむ窓口はもう何もありません。
2月15日に、DAYS JAPANの新しい弁護士から、聞き取り依頼調査の文書がきました。
1月頭から馬奈木弁護士らが聞き取り調査を始めていましたが、聞き取り調査はいったいどれくらい遅れて再開されたのでしょうか。
馬奈木弁護士、ジョー横溝編集長とは、性被害だけではなく、パワハラの問題も調査・検証の対象とし、最終号でもページを割いて取り上げる、との結論になっておりましたが、現時点で、私が知り得た情報によると、最終号ではパワハラの問題にページを割かず、当初の聞き取り調査報告のページ数も削減されたようです。
DAYS最終号には、編集長だけではなく、現役の編集部員はみな関わらないということを確認しました。
(2月末でみな退職するとのことでした)
今回の一連の経緯で、現役の編集部員の方々も、会社側に守られておらず、ジョー横溝編集長の会社役員側への訴えも聞きいられませんでした。
DAYS最終号は「内部関係者を排除した独立した検証委員会」ではなく、雇用されていた編集部が抗議して辞めていった形となりました。
このような形の最終号には関わるべきではない、と判断しました。
しかし、DAYS最終号には関わりませんが、この問題について、調べ続け、考え続けたいと思います。
この間、私に寄せられた情報、コメントもまとめますが、その場はDAYS最終号にはしません。
また、DAYS JAPANだけでなく、様々な場所、人物で同じ様な問題が発生していることも知りました。
そして、問題が発生し、それを解決しようとした際、組織の自浄作用がなく、問題提起した人間が排除されることも、各所で発生していることを知りました。
私たち自身、過去2度、組織内で問題提起して解決すべきと主張したために、より強い権限を持つ方によって、組織から排除された経験があります。
また、この問題を調べる中、「他の人物でも同様の状況がある」という話になったとき
「権力と闘うには、ワンマンで空気を読まず動いたり発言したりする必要があるから、ある程度パワハラ・セクハラは仕方がないのでは」
「英雄色を好む」
というような言葉を少なからず聞きました。
私は違うと思います。
被害者の方々にとっては、権力者と闘っていようが、英雄であろうが、加害者には変わりありません。
この「権力と闘うには…」という枕詞は、私自身、苦しめられました。
組織内で問題提起して、組織内で解決すべきと主張した際、「権力と闘うために、この団体が必要だから、この団体をつぶしてはならないから」という理由で、組織の自浄作用が働かないことを経験しました。
そして、問題提起をした私たちが排除されました。
このような問題が二度と起こらないようにするには、このような考え方も改善せねばならないと思います。
立場に上下がある中で、より弱い方が踏みにじられる状況を無くすこと、
そして万が一そのような問題が発生した場合、周囲に声を上げやすい状況があること、
その抗議の声はきちんと取り上げられ、組織に自浄作用があること、
このような社会になるよう、今後も調べ、考え、動き続けます。
DAYS JAPANの調査・検証と最終号に関して、残念なご報告になったことをおわびいたします。
2019年2月28日 おしどりマコ
僕の考えもマコちゃんと同様です。
2018年暮れにDAYS JAPAN 広河隆一氏に関するの記事が出された事、そこには今まで声を上げることが出来ずに苦しんでこられた方々がいらっしゃることがわかりました。
おしどりはDAYS JAPANとは連載という形で関わってきましたが、DAYS JAPANが取るべき行動は、二度と同じ苦しみを受ける方を出さない為に、今までに広河氏を取り巻く環境、DAYS JAPAN の体制や、また嫌な思いをした人は居なかったか、どんな問題解決の方法をとってきたかなど。自分たちの手で出来るだけ問題点を洗い出す必要があると思っておりました。やり過ぎる位に調べて、公表し自らが過去の失敗に向き合い、被害の声には誠実に対応するべきだと考え、その準備を進めてきましたが、DAYS JAPAN ではそれは難しそうだと判断いたしました。
2019年2月28日 おしどりケン