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3行まとめ

 

・柏崎刈羽原発と福島第二原発が掲載された電力系統図が出される。

・福島第二原発の再稼働については未定。

・東京電力は福島第二原発も電力供給元としてカウントしているのか、今後はどうなるのか。

 

 

5日の電力系統図に柏崎刈羽原発と福島第二原発が

 

東京電力が12月5日に公表した「電力系統図」に

新潟県柏崎刈羽原発のみならず、福島第二原発も系統図に掲載されていた。

 

写真 (11)
http://www.tepco.co.jp/corporateinfo/provide/power_grid/images/500-275kv.pdf

 

現在、新潟県の柏崎刈羽原発は、2014年7月の再稼働を目指していたが、それはかなわず、具体的な時期はまだ定まっていない。

福島第二原発に至っては、福島第一原発事故が全く収束していない現在、再稼働が議論に上がることすら難しい現況である。

廃炉になった福島第一原発だけ削除したということであろうが、

最新の電力系統図に記すということは、電力源としてカウントしているということだろうか。

 

福島第二原発についての政府の見解

 

9月25日、福島県を視察した小渕裕子前経産相は、福島第二原発の再稼働について

「大変難しいものがある」と答えた。

「福島県の皆さんの気持ちを考えると、他の原発とは状況が違う」とし、

全国の原発の再稼働が進む中、福島第二原発については事実上困難という見解であった。

小渕裕子前経産相だけではなく、茂木敏充前々経産相も、

「(全国の)他の原発と同列に扱えない」という見解を示していた。

安倍晋三首相は、2013年4月の衆院予算員会で「地元の理解を得るのは難しい」と述べている。

 

福島第二原発の再稼働は東京電力次第!?

 

しかし、9月25日の小渕裕子前経産省の田村氏での会見では気になる点があった。

「(廃炉を)決定するのは事業者」とも述べているのである。

福島第一原発は6基全てがすでに廃炉が決まっているが、第二原発の4基については、状況を見て検討という方針である。

筆者は、2011年から株主総会の取材を続けているが、毎年、東京電力の原発を全て廃炉に、と提案されている。

福島第二原発の扱いについて、2014年度の株主総会の取締役会の意見として、こう述べていた。

「福島第二原発の今後の扱いについては、現時点では未定であり、

国のエネルギー政策や地域の方々をはじめ広く社会のみなさまのご意見等を踏まえ検討いたします。」

写真 3 (1)
http://www.tepco.co.jp/ir/soukai/pdf/140606_1-j.pdf

 

この文書はこう続く。

「昨年も両発電所の廃止に関するご提案を頂いておりますが、いずれの議案も株主のみなさまの反対多数で否決されております。」

しかし、総会に代理人を立て参加をする大株主の意向で決まる。なので数名の代理人のみの挙手で決まるのである。

2011年の株主総会は、出席者の圧倒的多数は原発を廃炉に、という意見であった。

そのため慌てた当時の議長である勝俣会長が「もう一度採決を!」と怒鳴ったが、さらに原発を廃炉にという挙手が増えた。

しかし、株主総会の出席者より、大株主の代理人のほうが圧倒的多数の株を所有するため、否決されたという。

そのときの模様は、webマガジンに連載している過去の筆者の記事にある。下記。

脱ってみる? 第9回 脱原発裁判&脱原発株主総会

 

 12月8日、東電定例会見での質疑

 

12月8日の定例会見にて、東京電力にこの件を質問した。

筆者の質疑の書き起こし(ケンパル作)

「福島第二原発の扱いは未定であるにも関わらず、なぜ最新の電力系統図に加えるのか」という質問に対し

「未定なので電力系統図に掲載した」を繰り返すのみであった。

廃炉が決まった福島第一原発は省かれ、再稼働を目指している柏崎刈羽原発は掲載されている。

(この柏崎刈羽原発の再稼働についても強引な計画で、様々な問題は解決されていないのだが!)

20141208_04

 

 福島第二原発の扱いは未定、としながら、電力系統図に掲載するというのは、

電力の供給元としてカウントしているということではないだろうか。

首相や代々の経産相が、福島第二原発の再稼働は地元の理解が得られず難しいとしながらも、

「決定権は事業者に」という。

確かに、電力系統図では、廃炉になった発電所のみを削除しているという機械的な図面であるかもしれない。

「原子力発電は重要なベースロード電源と国が位置付けている」ということを前面に押し出している東京電力は、

周囲の状況が許せばすぐ再稼働に入るような気がしてならない。

 

 

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