3行まとめ

・27日の会見で、15日の資料について12日遅れの説明があった。

・従来の把持具で持ち上げるのは難しく、この作業のために新しく把持具を開発した。

・地ギリ(浮く)直前でいったん停止、30cm上がったところで5分間停止など、 慎重に作業を進める。

 

 東京電力広報、白井氏の説明全書き起こし

白井氏 撮影:おしどりケン

白井氏
撮影:おしどりケン

最後に、最初に話したが、7月15日に福島県の廃炉監視協議会において、3号機FHM撤去について説明がされてございます。

この資料について改めて説明させてもらいます。

 まず3号機原子炉建屋上部の瓦礫撤去作業につきましては2011年9月10日に開始をしまして、

2013年10月11日に大型の瓦礫撤去につきまして完了しております。

その後、同年の10月15日に除染と遮蔽作業を開始をしまして、 プール内の大型瓦礫撤去につきましては2013年12月17日から開始してございます。

この度、最も大きなFHM(燃料交換機)本体の撤去につきまして、準備がだいぶ整ってきたということで、 説明させてもらうものでございます。

なお、撤去日については、正式に撤去日が決まった段階で事前にお知らせさして頂きたいと考えてございます。

→27日の会見時点で、筆者は取材で8月2日(日)予定と把握。現場の会社に通知があったからである。

筆者とFACTA宮嶋記者が、たびたび質問していたが、「7月下旬予定」とずっと明言を避けていた。

めくっていただいて右下スライド番号2番をご覧ください。

こちらのFHM本体撤去に伴いまして、その前2014年8月、約1年ぐらい前になるが、操作卓を落下させるといった事がございました。

その対策、同じような落下物を発生させてはいけないということで、いろいろ対策を取ってございます。

今回のFHM本体の吊り上げに際してはその対策を反映した手順にのっとっています。

まず、撤去計画をつくるにあたりまして、3DCADをつくって、そのCADに基づいて撤去計画を作ってございました。

、現場と状態を見てCADを作っていたわけですが、十分な現場と計画用の3D CADが一致していなかった、といった事がございました。

で、そういった事から、まず現場を良く確認して、計画用の3DCADが違っているようであれば、見直し、修正を行なって現場の状況と相違がないようにして、その上で計画を立てようと。

もし、相違がどうしても生じてしまう場合でも撤去計画に影響がないといった事を確認手順にしてございます。

→筆者の取材で、現場作業員によると、

「遠隔のカメラ調査では、どうしても不十分。現場調査を十分にできない環境。

調査で見えない部分の腐食・劣化などの亀裂はあり得る。

本来、水中で使用するものではない部分が、発災以降、4年以上水に浸かっていた。

高濃度の放射性物質による劣化もある。一発で引き上げられるとは想像できない。何度かチャレンジするのでは。」

とのことであった。

そちらのスライド番号の2番、3番にございますように、現場と撤去計画のCADに相違がないことを確認したということで、

確認した項目として得た把持する場所ですとか、他の瓦礫もの等の緩衝、

部材の欠落と言ったものについて確認したものを表としてまとめさせていただいております。

また、この撤去計画のCADに基づいてしっかり安全に把持できるようにいたしましょう、ということで、

ちょっと先になりますが、スライド番号の9番あるいは10番を見ていただきますと、3DCADに基づきまして、撤去するFHMの重心の位置、といったもの。

またどこで把持、掴むことができるかといった点も確認をしてございます。

こちらにありますように、重心位置とかどこにひっ掛けるか、吊るかという点につきましてもCADを元に計画を立てるといったことを確認してございます。

で、その後吊り上げる場所重心が確認できたということで次にFHMを確実に吊り上げるということで、新しい鉄橋の持具といったものを製作してございます。

従来ですと、フックあるいはカッターといったものを使って参りましたが、このFHM本体につきましては、こういった従来使っていた把持具では安全につかむことができないと。

そういったことから、この2つの専用の持具を作ってございます。

この東側の吊り具に付きましては、吊り場所としましてこのFHM本体の東側・・・になります。

こちらに上のほうにトロリの1F部分が乗っていたりして、非常に掴んだりしにくいという所ですので、トロリのフレームの下の方にこの吊り具の釣り針状の棒の部分を差し込んで、フレームの奥までしっかり差し込んで全体を持ち上げるという事でこれ専用の持具を開発をしてございます。

また、西側の撤去につきましてはFHMのフレームが2つ北側と南側に分かれていますのでこれを両方確実につかむようにするということで2つのカニのような形になってますけれども、吊り具を改めて開発してございます。

この釣り具ですけれども、従来のフックですとか、カッターですと、2つの指で挟み込むといったものでしたけれど、

こちらの先端を見ていただくと分かりますように、爪が重なりがありません。

あの、ぶつかりません、爪を前後にスライドさせるということでこの爪の間にフレームをしっかり挟んで

この2本の爪が引っ掛かった状態で吊り上げるということで、吊り上げても落ちないようにという事で落下防止をかんがえてございます。

また、それぞれの吊り具が確実ににFHMをつかんでるといったことを確認するということで、きちんと確認項目をまず明確にするといったこと。

でこの確認項目がしっかりできないようであれば、改めて撤去計画を練り直すという事で、

手順について一つひとつ確認項目、また併せてどういうリスクがあり、何を見るべきかという点についても手順書の中に反映して確認をしてございます。

東側でありましたらこの吊り針の先端、その奥まで刺し込まれていることを確認をする。

また、西側であればこの2本の爪、それぞれ2本の爪がしっかりとフレームにかかっていることを確認する。

といったことを確認する手順ということで手順上、手順と確認項目を明確にしてございます。

また、実際に吊るに当たりまして、安全にしっかり吊り上げなきゃいけないという事で、

スライド番号10番になりますけれどもこのようにしっかりと吊り場所と上の吊りフックといいますか

吊り具を保持している場所、ワイヤが直線になっていて、そのまま吊っている時に大きく動いていかないといったことを確認するということ。

をまず明確に手順の中で記してございます。

その後、西側から西東へと少しずつ上げまして実際に地ギリの直前で一旦停止をして水平に釣り上げられるかどうかを確認をする。

あの、地ギリというのはいわゆる重さがなくなって完全に浮く状態になります。

ギリギリついてこれからもう直ぐ荷物が浮くよ、とそれまでは下にくっ付いていますので、

動かない状態になりますけれども吊ってしまう、地ギリしてしまうと浮いてしまうので向きが甘かったりすると動いてしまうという危険性がございます。

そのため浮く直前に状態を確認するという事を手順の中でまず明確化してございます。

でその後いったん30センチ程度吊り上げまして、約5分間保持して状態の確認をする。

吊った事により、大きく移動することがないかあるいは何かFHMと一緒に下に落ちてくるようなものがないか、

あるいはこの30センチ程度吊った状態で下に燃料ですとか他のものがひっかかってぶら下がってないかといったことを確認をする予定でございます。

その後、確実にに吊り上げるということを確認した段階でこのまま上のほうに引き上げていく事で予定してございます。

なお、この吊り上げている途中で何か異常が発生した場合につきましてはその場で一旦作業中断しまして。

つった状態で作業を中断して、吊り下ろす場所ですとか、方法について関係者で協議をして参るという事で手順を定めてございます。

→20tという重量のある構造物を、3点で支持して、回転させず、動かさずに吊り上げる、というのは非常に難しい。

確認・調査をしても、何かに引っかかったり、ぶら下がっているものが落ちたり、見えない亀裂があったりということも考えられる。

地ギリ(浮く)直前でいったん停めて確認、30cm吊って5分間停めて確認など、とても慎重な計画から、危険性が伺える。

またそれ以外の安全確認ということで、スライド番号12番にありますように吊り上げられるFHM本体が自重により変形しないこと。

また、スライド番号13番にありますが、吊り具がそのFHMの重さで損傷しないということ、十分な余裕がある事といった事を確認をしてございます。

また、資料としては戻りますけど、スライド番号7番になりますけど

も、新しく養生板を設置してございます。この養生板につきましてはFHM本体が落下してきた時に、これに耐えると云ったものではありません。

FHMに何か一緒にくっついてきた物が落下した。

或いはFHM鉄骨とか何か一緒にくっついていて、それが誤って落ちた、ですとかそう云った時に落下の衝撃を吸収するための物になります。

そう云った養生板につきましても新たに移動ルートに設置をしてございます。

→筆者が、では、どの程度の落下物まで対応するのか、この養生ラックはどの程度の耐荷重か、と質問すると

「20tのFHM本体には対応できない、と言っている、興味本位で知りたいのか」と逆切れされたことは付け加えておく。

関連記事: 【起こし】FHM引き上げについて、まともに説明しない東京電力

こういった対策を行って安全に作業、吊り上げを行うということで予定をしてございますが、この使用済み燃料プールの中には原子炉ウェルとつなぐ使用済み燃料プールSFPゲートというものがすぐ近くにございます。

この作業に伴いまして、ゲートとFHMが接触をして一緒にゲートを持ち上げてしまうですとか。

あるいはゲートにこのFHMが当たってしまうということで水の漏洩といった懸念があるということから。

こちらについては、実際に吊る時に重心の位置を考慮しましてワイヤの位置を調整して吊ったときにはプールゲートから離れる方向に吊るということをまず事前に確認をして参ります。

また、ゲートと引っかかってる、こすれてる状態で吊り上げた時に誤ってそのゲートが上がってしまう懸念がありますので、

そちらにつきましてはどれぐらいクレーンに荷重がかかっているかといったところを測ってますので、荷重の制限値を設けまして制限を超えているようであれば作業停止するということを行ってまいります。

 

また、さらなる確認ということでスライド番号15番にありますけれども、「吊り上げした時に現在の位置からずれて動いたとしてもゲートが損傷しない」といったことも確認してございます。

でこのような安全対策を実施することでゲートからの漏洩はないかと考えてございますけれども、さらなる危機管理対策としまして、万が一プールの水位が低下した時の調整設備について準備する

これは、通常プールへの注水設備ということで用意しているものでございます。

また、ゲートと原子炉ウェルの間に隙間がございます。

そちらから水が漏れるということになりますので、そちらの間に充填剤を入れてもし水が漏れた場合でも水が流れないようにする、あるいは、水が入っていたとしても中の水をくみ出して外に出すといったポンプの設置といったことも準備してございます。

また、万が一の作業体制ということで作業する当日につきましては構内におけます屋外で実施する全作業につきまして作業規制をするということで予定をしてございます。

→敷地内の全ての作業を中断して、一つの作業にあたる、というのは2011年の事故発災以降、初めてのことである。

以上の手順におきましてFHMの本体の撤去を行います。

その後、養生板の移動ですとかその他の瓦礫の撤去等が必要になりますので最終的には現在の段階でプール内の大型瓦礫の撤去につきましては10月末まで要するというふうに見込んでございます。

 

なお、万が一FHMがプール内に落下した際の被ばく評価としましては一番資料の最後の方に付けてございますけれども。

まあ、被ばく線量としまして10μSvオーダーという事で評価をしてます。

こういったことにならないように安全に作業を進めていきたいと考えてございます。

→福島第一原発から1kmと離れていない国道6号線の規制などについて質問すると

「そういった敷地の外で規制する、しないの話は、我々の方で判断出来る内容ではない。担当箇所に聞けばいい」

では8月2日が予定日だということを担当箇所に伝えたか、と質問すると

「まだ正式に決まっていないので知らせていない」とのことであった。

敷地内の作業は中断することについて、筆者の取材では先週に各現場会社に通知が行っている。

東電広報によると「急に作業を中断するのは難しいので、事前に告知した」とのことであるが、

国道6号線など、近隣の規制も急に通知されても対応は難しいだろう。

なぜ、同じタイミングで通知しないのか。

 

説明に使われなかったその他のスライド

 

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