目次
①内部リークの資料は本物だった!!
②内部リーク資料は「職員が想像力たくましく書きすぎた」
③「規制庁職員の見解を公開すると国民が混乱するので不開示」
④国会の法案提出に無理やり合わせる規制庁に独立性とは
⑤事前協議は「自民党の参院選公約」をエネ庁が規制庁に説明していた!
3行まとめ
・内部資料は規制庁職員が作成したもの、8月に環境省に説明しに行った際に用いたものと認めた。
・規制庁とエネ庁は確かに面談したが「エネ庁から報告を受けただけで、協議はしていない。話し合ったわけではない」と繰り返した。
・内部資料には、当時、エネ庁でも検討されていない「運転できる期間に制限なし」と書かれており、エネ庁より推進側に踏み込んだ書きぶりだが、「頭の体操」「想像力たくましい職員が書いた」と繰り返した。
2022/12/27 規制庁記者ブリーフィング
原子力規制庁・黒川課長は、リークされた内部資料は、規制庁職員が作成したものと認めた。
しかし、下記の資料の黄色マーカー部分を見てほしい。
・「運転できる期間に」制限なし
・延長する回数に制限なし
ご丁寧に、制限なし の部分は太字でアンダーラインが引いてある。
運転できる期間、延長する回数に、制限なし、つまり、原発の運転期間の上限撤廃が書かれている。
そして「規制庁内は当面、4名程度のコアメンバーで立案作業に着手」ともある。
規制委員会の議論や、国会や政府の指示の前に、原発の運転期間の上限撤廃の立案作業に着手しているというのだ。
原子力推進側であるエネ庁の原子力小委員会でも、この時点では運転上限の撤廃は議論はされていない。
なのに、なぜ規制側である規制庁が、推進側よりも推進の資料を作成しているのか。
この質問が繰り返されるが、黒川課長は「想像力たくましい職員が書いた」「頭の体操」を繰り返す。
原発事故発災後に、規制不十分の反省から、原子力規制委員会が設置されたと前述した。
そのときの法改正(原子炉等規制法)で、原発の運転期間は「原則40年、規制委が認めれば1回に限り最長で20年延長できる」と定められた。
その炉規法に定められた運転期間の上限を撤廃することを、エネ庁と規制庁が事前協議していたというのだ。
規制側と推進側の距離の近さが原発事故の一因となった、という反省はどこにいったのだろうか。
「話し合っていない、規制庁はエネ庁から一方的に情報提供されただけで協議していない」と言い張る規制庁に、「ならば、メールやFAXで済むではないか。なぜいちいち会う必要があるのか」などの質問が相次いだ。
規制庁側の説明の酷さや、怒る記者の質問を抜粋したので、実際に確認してほしい。
実際の面談資料の公開は、開示決定後
エネ庁と規制庁が、どのような面談をおこなったのか、その資料を公開すべき、と記者から要望が相次いだ。
規制庁は「開示請求者には、開示決定後に、開示できるものは公開する」と回答。
開示請求者以外にも、報道には等しく公開すべき、との要望に、
規制庁は「では開示決定後に、報道にも公開できるよう調整する」と回答。
しかし、筆者は念のため、情報開示請求をかけた。
原子力規制庁、経産省資源エネ庁、環境省への3省庁宛てにである。
結果、これが功を奏した。
面談資料を公開する、と言っていた規制庁が、ちゃぶ台をひっくり返したからだ。
どう説明が変わったのか。次の記事で説明する。
参考:2022/12/27 記者ブリーフィング動画、速記録、資料
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