安全保障関連法案に反対する学生と学者の共同行動
7月31日、「安全保障関連法案に反対する学生と学者の共同行動」が砂防会館にて開催された。
1部、2部で、学生5名、学者4名の素晴らしいスピーチが行われ、会場には拍手、笑い、涙が溢れた。
そのスピーチを順次、書き起こす。
SEALDs 自由で民主的な日本を守るための、学生による緊急アクション
書き起こし目次
1部
2部
廣渡清吾 専修大学教授
専修大学教授法学部教授、東京大学元副学長 日本学術会議前会長
廣渡清吾教授
廣渡でございます。
今日は学生と学者の共同行動にお集まりいただきましてありがとうございます。
まず最初に私はSEALDsのみなさんに心から連帯のエールを送りたいと思います。
みなさんのこれまでの東京や関西を中心とした活動は私たちをおおいに励ましてくれました。
また今回の法案に反対する全国いろんな運動が展開していますけれどもこの法案に反対する国民を大きく勇気づけたと思います。
本当にありがとうございます。
今回の法案の狙いは先ほどから明らかになっていますけれども、集団的自衛権を認めることによって、本格的に外国の軍隊を援助しつつ、武力行使をおこなうという道をひらくものにあります。
あるいは後方支援という名のもとで外国の軍隊の武力行使と一体化する兵站活動を推進するものです。
これはまさに日本を戦争する国、戦争のできる国にするということであり憲法9条にとどめを刺す法案に他なりません。
参議院の審議で、安倍首相は専守防衛にいささかの変更は無い、戦争に巻き込まれることは絶対にない、と断言に次ぐ断言を重ねていますけれども、
もし彼が言っていることが彼の本心であるとすれば、法案を理解していないバカだ、ということになります。
また、もし、法案の内容をそのように断言によって国民の目をごまかそうとしているのであれば、それは嘘つきということであります。
現在の内閣は反民主主義的、反立憲主義的な違憲の内閣です、それに加えて反知性主義の内閣と呼ぶべきです。
つまり、客観性や実証性を無視して、自分の思うがままに世界を理解する態度であり、これは朝日新聞の川柳によっても皮肉られていますけれども
「我思う故に正当かつ合憲」、という立場です。
私たちは、この内閣を断じて許すことはできない、と思います。
この法案に反対する意味づけですけれども、わたくしは、日本国憲法は、日本国民が戦後、侵略戦争と植民地支配を歴史的に反省をして、もう二度と外国と戦争することをしないという世界に対する約束であり、
かつ二度と戦争に駆り立てられることはない、そして平和のうちに生きることができるという国民の希望を託したものだと思います。
したがって今回の法案を許せばこの約束もこの希望も踏みにじられることになると思います。
さらに今回の闘いは沖縄の辺野古に基地を作らせない、沖縄から基地を一掃するという闘いに連帯する闘いでもあります。
また、中国や韓国との関係でも、もし今回の法案が成立するようなことがあれば、今までの困難を抱えた中国や韓国との友好関係が、一層大きな問題を抱えることになるだろうと危惧しています。
もうひとつ、私たち、学生と教師は大学を本拠にして活動しているわけですけれども、安倍内閣の最近の大学政策をみますと、税金で賄われている国立大学は、国益に奉仕するものだという態度を明確にしつつあります。
これは、もしこの法案が通れば、軍事研究、これを国益のための研究として、国立大学のみならず日本の大学に押し付けてくる可能性がとても大きいと思います。
この法案を許さない闘いは学問の自由、軍事研究をしない、大学の自由、大学の自治を守る闘いでもあると思います。
みなさん、今後のことです。
9月27日が会期末です。
会期末の間に、参議院でも、それから60日ルールを想定すれば、衆議院でも、絶対に採決を強行させないという状況を作り出すことが必要です。
そのためには、この法案に反対するますます多くの国民の声を結集すること、安倍内閣の支持率をうんと引き下げること、そして国会や官邸を10万人、さらには20万人の国民で包囲し、我々の生の声を突き付け、安倍内閣を立往生させることが必要だと思います。
みなさん、夏の暑いさかりですけれども、9月末まで粘り強く、この法案を廃案にするまで一緒に闘いましょう。